
男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回は看護専門学校の厳しさを書いていきます。
鳩ぽっぽは専門学校も大学も両方経験しているので、両者を比較していこうと思います。

違いを理解する大切さ
専門学校と大学の違いを知っておくことになんのメリットがあるでしょうか。
まず、高校生の進路選択において、看護学校の選択は非常に重要です。
看護学校はどこも厳しいです。しかし、その厳しさの度合いは専門と大学では異なります。自分の性格や成長の方向性に合わせて学校を選ぶことが看護師になるために大切だったりします。
また、看護学生にとっても厳しさの違いを知ることは、有益です。
実際問題として、専門学生は入学して五月くらいにやめる人が多いのだそう。これは、同じ進路の他大学へいった同級生と遊んでいると、厳しさの差を感じてやめてしまう、というものです。
これは事前にその厳しさの理解をしていないことが原因の1つだと思います。
比較ポイント
専門と大学の比較ポイントとしては以下のものが挙げられます。
- 座学、試験
- 履修
- 実習の実施
- 実習の記録
- 部活、サークル活動
- 教員
座学、試験
座学や試験に関して大きな違いはあまりありませんが、細かい違いは多くあります。
まず、専門はレポート課題が少ないことです。
大学ではレポートのみで評価をつける科目が珍しくないのですが、専門では基本ペーパーの試験のみです。
また、内容もほぼ記述で、マークシートなどはありません。
次に、教養科目の少なさです。
大学では教養科目を多く設定されており、また、自分で取ることもできます。
しかし、専門では後述するように、全て必修のため、教養科目がどうしても少なくなります。
最後に欠席できないことです。
これも後述しますが、ギリギリの履修状況で行うため、全て必修であり、大学のようにサボるということができません。(1、2回なら可能)

履修
前述してもいますが、専門は大学と異なり、選択履修や自由履修がありません。
3年という短い期間で修了するため、全て必修です。
それによって教養科目が少なかったり、サボれなかったり、自由な勉強をしにくいといったことがあります。
実習の実施
専門は大学と比べ、実習の回数が多いです。
自分の学校だけかもしれませんが、専門では実習を13回やったのに対し、大学では、10回程度しかありません。
また、ある大学では学内日を一週間に2日設けており、臨床に行くのは3日というところもあるそうです。(もちろん、専門は毎日臨床)
より実践的な看護師を育成することを目指している専門学校では、実習の回数が多い傾向にあります。
また、そのため、実習の内容の厳しさも大学より高いです。
受け持ち患者の重症度や教員・看護師の指導、記録、計画の発表等、さまざまな面で大学より厳しいです。
自分いた専門学校では、この実習だけで入学時の1割はいなくなりました。また、毎年留年生が2〜3人は1クラスに降りてくるような状況です。
大学では、とりあえず出席していればパスさせるということだったので、とても驚きました。どんなにできなくても出席が足りていれば、合格にする、というか留年させられないのだそう。専門時代は出席していてもどんどん落とされていたので、そのギャップに開いた口が塞がりませんでした。
(最近の傾向)
昨今ではリモート授業やリモート実習が話題になっていますが、これも専門学校より大学の方が取り入れているようです。
授業は専門学校でもやっているようですが、実習は臨床以外ありえない、という考えのようです。

実習の記録
先程述べた実習内容の厳しさで特にと言えるのがこの記録です。
大学では(同級生に聞いたところ)記録物は日々の行動計画、振り返り、看護過程だそうです。
これは、専門でもほぼ変わりないです。
しかし、内容量がまったく異なります。
◯行動計画
大学:A4のワークシートに1枚
専門学校:A3のノートに平均6ページ(見開き3枚)
◯振り返り
大学:行動計画ワークシートの下に枠があり、そこに書く
専門学校:A3ノート1ページ
◯看護過程
大学:ワークシートに情報、アセスメント、関連図、計画、SOAPを書く
専門学校:A3ノートに情報、アセスメント、関連図、全体像、優先順位、明確化、計画、SOAPを書く(一番多い時でノート1冊分)
これは、あくまで自分の経験と聞いた話なので、学校によって違うと思いますが、これだけ量が違います。
よく看護学生が”記録が大変”という話をしても、他学部の学生には本当の意味で理解できない、という話を聞きますが、看護の中でも専門と大学でこの現象が起こっているのかもしれません。

部活、サークル活動
そんなもの専門にはありません。
仮にあったとしてもできません。
とにかく時間がないので、学校とバイトだけでいっぱいいっぱいです。
たまに、他の大学のサークルに出ている学生もいたそうですが、1年以内に出なくなったそうです。時間に余裕がないためです。

教員
専門の教員は学生にコミットしていることが多いです。
大学の教員は自身の研究があったり、キャンパスが大きいといったこともあり、学生と毎日顔を合わせることがなく、一定の距離感があります。
しかし、専門では学校の狭さ、教員の授業回数の多さ、実習の多さ、教員の少なさがあって、学生との距離が近いです。
これがよく働くなら問題ありませんが、悪く働いたときは最悪です。

また、専門の教員は現場からの叩き上げが多いため、看護に異常な熱意を持っている人が多いです。
そのため、たまにお局看護師のような教員がいたりして、学生の人格否定や看護の否定が起こることがあります。
そういう面まで実践的であっては欲しくはないですが、それが現実です。
まとめ
以上のことから、看護専門学校は大学より厳しいと結論づけました。
これは自身の経験によるものなので、学校によるというのがもっともですが、大まかこの傾向なのではないでしょうか。
自分の過去を振り返りながら、やっぱりあの環境はブラックだったな、と思ってしまいます。
ただ、専門学校には専門学校の強みもあるため、厳しいから悪いということを言いたいのではありません。
それはまた記事にしようとは思いますが、なにより、この実状を知った上で自分に合う進路を考えてほしいと思います。
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