看護過程

【看護過程】大腿骨頸部骨折のアセスメント〜排泄〜

投稿日:2020年12月28日 更新日:

男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
看護過程アセスメントシリーズです!
noteでは既にCOPDでやっており、今回は2症例目です。
興味のある方は是非そちらもご覧ください!
【note】看護過程のまとめ!COPDアセスメント他

はじめに

本シリーズの目的ですが、看護過程の見本として活用いただくことです。
看護過程を最初に習い始めたときは何が正解かわからず、どう書けばいいかというところから筆が止まってしまうと思います。
そのため、少しでも書き方のイメージを付けられるように様々な疾患の看護過程を書いていければと思います。
なお、本アセスメントはゴードンの11領域です。また、患者情報は事例であり架空の人物です。
※アセスメントの細字は一般論、太字がAさんの分析です。

情報

・老年期
・排尿回数約7回/日(内夜間が2回)
・排便回数1回/2日
・尿失禁あり
・便失禁なし
・尿意、便意あり
・オムツと尿取りパッドを使用
・排泄方法はポータブルトイレ(要介助)
・トイレへ行く際、ナースコールを押す
・ポータブルトイレで用をたせるが、尿取りパッドが毎回濡れている
・ポータブルトイレに座ってしばらくすると呼んでくれる。拭いたティッシュはポータブルトイレ内に廃棄している
・意識清明
・脱着衣は看護師の介助が必要
・食事摂取量5割
・「若い時と比べてトイレが近くなった。」
・「動くのに時間がかかってしまって、トイレが間に合わない時がある。」
・「家ではできていたのにできなくなってショック。」

アセスメント

膀胱は通常約500〜600ml蓄尿できるが、膀胱壁の排尿筋は加齢に伴い膠原線維化していくため、膀胱の萎縮、容量の減少、排尿回数の増加が起こる。また、内尿道括約筋は不随意に収縮し、尿を膀胱に貯める働きを有している。便の形成は結腸で行われ、直腸に充満する。内肛門括約筋は不随意に収縮し、直腸に便をためておく。直腸内圧が高まると排便に至る。
Aさんは老年期であり、トイレが近くなったという発言から、加齢変化に伴う蓄尿能力が低下していることが考えられる。蓄便能力については、便失禁がないことから保持されていることが考えられる。

尿意は膀胱容量の半分まで尿がたまることで生じる。蓄尿が続き膀胱内圧が20mH2Oを超えると、脊髄から大脳皮質に伝わることで尿意を感じ、排尿という行為につながる。高齢者では、膀胱に尿が満たされた状態で初めて尿意を感じることが多く、失禁につながる。便意は、直腸に便がたまり、充満すると重みによって脊髄の排泄中枢に伝わることや肛門括約筋に圧力が加わると大脳に伝わることで生じる。
Aさんは老年期であるが、尿意・便意を感じており、尿意・便意を感じたのち排泄行動に移行できている。感覚としての機能低下は保持されていると考えられる。

排泄動作は認知機能、移動動作、排泄姿勢動作、衣服の着脱動作、後始末動作、手洗い動作で構成され、それぞれの動作を認知し、次の動作につなげていくことで排泄動作を行うことができる。高齢者では、加齢変化によって認知機能や身体機能が低下するため、阻害される可能性が高い。またその動作の障害によって引き起こされる尿失禁を機能性尿失禁という。機能性尿失禁は腎臓や膀胱、尿道などで尿を生成して蓄え、一定量たまったら尿意が生じるという一連の流れに異常はないものの、運動機能や認知機能の異常によって正常な排尿行動ができなくなるものを呼ぶ。
Aさんは大腿骨頸部骨折の治療に際して安静臥床状態が続き、筋肉量低下・動作の不安定さが生じている。そのため、移動動作・衣服の着脱動作、手洗い動作が妨げられている。移動動作については、ポータブルトイレを使用することで移動距離を短縮できているが、ベッドからポータブルトイレへの移乗動作が自立しておらず、介助が必要なため時間がかかる。そのため、尿意を感じているにも関わらず移動に時間がかかることによって尿失禁をきたしており、機能性尿失禁を引き起こしていることが言える。排泄に関わる認知機能については意識清明の状態であり、排泄の際にはナースコールで呼ぶなど排泄の方法について理解していることから問題はない。Aさんが自立している排泄動作は排泄姿勢動作と後始末動作であるが、完全な自立状態ではなく、介助が必須な状態である。「家ではできていたのにできなくなった。」との発言から、排泄動作についての自立度が低下していることが考えられる。

尿の排出機能として末梢支配神経の萎縮によって尿道閉鎖症、尿量流量率低下が起こることで、尿勢が低下する。便は24〜72時間で直腸から体外へ排出される。直腸の収縮力が低下すると排便中に便意が消失することがある。高齢者では筋力が低下するため十分に怒責することが困難となる。
Aさんは上記に挙げた疾患・症状はなく、排出については問題ないが、長期臥床状態から筋肉量が低下しており、十分な努責ができないリスクは存在している。

高齢者の場合、量は1回量が減少する。ADHの日内変動が消失することから、夜間での尿量が増える。便は吸収のよい食事だと少なく、野菜、穀物が多いと増える。排尿回数は一般的に日中4〜6回、夜間は0〜2回である。便は対象の習慣によって変わり、回数の決まりはない。性状としては、尿の場合、腎機能が低下するため、尿濃縮機能低下により希釈尿となる。便の色は黄褐色である。
排尿回数については日中5回、夜間は2回、排便は1回/2日であり、回数に大きな異常はない。ただし、食事摂取量が少ないことや長期臥床状態の影響で腸蠕動運動が低下している可能性から、便回数が減少し、便秘となるリスクは存在している。尿の性状は淡黄色、便の性状は褐色の正常便であり、問題はない。

成人の1日に排出される水分量は、尿として1000~1500mL、不感蒸泄として約900mL、糞便中の水分(約200mL)などがある。老年期の場合、成人よりも水分保持能が低いため、これよりも多いことが考えられる。体内で生じる老廃物などを排泄するために必要な最小限の尿量(不可避尿)は約400〜500mLであり、これ以下の場合、生命活動に影響が生じる。
Aさんの場合、1回量は100~200mlであり、7回/日のため700~1400mlの尿量であることが考えられ、正常な量が排出されていると言える。
(※排出の部分については栄養でアセスメントしてもよい。)

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最後に、記事を最後まで読んでいただきありがとうございます!もし、ご意見やご質問、改善点、ご希望のテーマがごさいましたら、よろしくお願いいたします。フィードバックしてよりよくしていきたいと思っております。

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