看護過程

【看護過程】大腿骨頸部骨折のアセスメント~活動・運動~

投稿日:2021年1月6日 更新日:

男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
看護過程アセスメントシリーズです!
noteでは既にCOPDでやっており、今回は2症例目です。
興味のある方は是非そちらもご覧ください!
【note】看護過程のまとめ!COPDアセスメント他

はじめに

本シリーズの目的ですが、看護過程の見本として活用いただくことです。
看護過程を最初に習い始めたときは何が正解かわからず、どう書けばいいかというところから筆が止まってしまうと思います。
そのため、少しでも書き方のイメージを付けられるように様々な疾患の看護過程を書いていければと思います。
なお、本アセスメントはゴードンの11領域です。また、患者情報は事例であり架空の人物です。
※アセスメントの細字は一般論、太字がAさんの分析です。

情報

・85歳
・左大腿骨頸部骨折
・術前・術直後の安静臥床
・リハビリテーション(立ち上がり、歩行訓練)
・歩行訓練:術後3日目5mの介助歩行→術後10日後15m介助歩行
・立ち上がり要介助
・立ち上がり時、ふらつくことあり
・移乗要介助
・車いす移動
・食事はスプーンを使って食べれている
・排泄動作は移動・衣服の脱着動作、手洗い動作が要介助
・朝、清拭用タオルも持ってきてもらい、顔を拭く
・全身清拭:腕、胸、腹部以外は看護師による清拭
・着替えは全身清拭の時、看護師によって行われている(ボタンは自分で留めている)
・入院前は家で家事をこなしていた
・排便回数1回/2日
・「できていたことができなくなってつらい。」
・「トイレに自分でいけないのがつらい。」
・「足の手術をしたけど、動くとまた転んで折れるんじゃないかって怖い。」

アセスメント

老年期の身体機能、運動機能は成人期に比べ、衰退することが多い。加齢に伴う身体機能、運動機能の変化として神経機能低下、筋力の低下、持続力の低下、反射能の低下、骨量の減少がある。また、生理機能としては心機能の低下、肺換気能の低下が生じており、運動機能に影響する。
Aさんは老年期であり、骨量減少から骨粗鬆症、運動機能低下から転倒となっていることをはじめとして、上記の加齢変化が生じていたことが考えられる。さらに、今回の大腿骨頸部骨折の治療に伴う安静臥床によって筋肉量が減り、筋力が大幅に低下したことが考えられる。しかし、立ち上がりや歩行訓練を行うことで手術後時点より少しずつ行動距離が伸びてきており、リハビリテーションによって運動機能が回復してきていることが考えられる。

活動量は人によって必要量が異なる。例えば身体活動レベルでは、必要エネルギーとその際の活動量、レベルを対応させている。
Aさんは加齢変化や安静臥床による筋肉量の低下から運動機能が低下しており、身体活動レベルⅠの状態である。入院前の生活動作が自立していたが、現在は自立しておらず、活動量が低下していることが言える。

日常生活動作(ADL)とは、ADLのAはアクティビティー(動作)、DLはデイリーリビング(日常生活)を指す。日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作のことを言う。移動、食事、排泄、清潔などの動作がどの程度自立しているのかの総合的に表す。
Aさんの移動は筋肉量低下によって車椅子となっている。以前は自立歩行できており、移動の自立度低下がその他生活動作に大きな影響を及ぼしていてる。食事動作は食物の運び込み等自立しているが、以前自立していた配膳下膳は現在できない状態である。排泄動作については、トイレまでの移動、衣服(ズボン、オムツ)の脱着、手洗い動作は要介助、姿勢保持が行える状態であり、一部自立している。清潔・整容動作については立ち上がりや移動の伴う下半身の清拭動作や衣服の脱着、タオルの準備などは自立していない。以上のことから、入院前よりADLが低下していることが言える。

セルフケアとは、個人が生命、健康及び安寧を維持するために自分自身で開始し、遂行する諸活動の実践である。本人の主体的な活動である。活動においては日常生活を営もうとする、維持しようとする能力として重要である。また、セルフケア能力とはセルフケアを行うための力であり、個人の能力と限界によって特徴づけられる。
Aさんは安静臥床のためADLが低下しており、自分でできることが制限されている。このことから、セルフケア能力が低い、セルフケア不足の状態であると言える。

廃用症候群とは過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態をさし、肺炎や転倒転落などのリスクに直結するものである。転倒とは筋力の低下などの身体機能の低下から転ぶことをいい、大腿骨頸部骨折の原因となる。大腿骨頸部骨折を起こすと自力では立ち上がることができず、寝たきりの状態となるため、手術などの治療が必須となる。便秘は腸蠕動運動の低下から生じやすくなる。血圧の調節がうまくいかなくなることにより、起立性低血圧が生じやすくなる。長時間の同一姿勢により圧迫部位の壊死が生じることがある(褥瘡)。嚥下に関係する筋肉の低下によって嚥下機能の低下が進み、誤嚥、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がある。
Aさんは床上での動作は自立しているが、それ以外の動作は安静臥床状態だったことから、活動性が低下していることから廃用症候群のリスクは存在している。特に、下肢筋力の低下による転倒転落のリスクや排便回数については個人差があるが、長期臥床や食事摂取量が少ないことから便秘のリスクがある。また、現在生じている廃用症候群として起立性低血圧があり、これも転倒リスクを上げる要因となっている。

活動意欲については、入院前の生活動作が送れなくなったことや手術に伴う再転倒の恐怖から低下しているが、自分でできることは行っており、意欲自体は存在している。

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最後に、記事を最後まで読んでいただきありがとうございます!もし、ご意見やご質問、改善点、ご希望のテーマがごさいましたら、よろしくお願いいたします。フィードバックしてよりよくしていきたいと思っております。

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