男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回は産褥期の関連図です。
産褥期とは、出産後から妊娠前の状態に戻るまでの期間を言います。
母性実習では、主に出産後から退院までの母子を受け持つのですが、その期間は身体変化が大きく、それらについて観察やアセスメントをしていく必要があります。
イメージとしては術後の患者でしょうか。
では、解説していきます。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい産褥期の変化に関する情報
- 本変化でよく出る看護診断、看護問題
- 本関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
産褥期の身体変化として挙げられるのは、進行性変化と退行性変化です。
進行性変化…産後に新たに生じる身体変化
乳汁分泌やそれに伴う乳房緊満、うっ滞性乳腺炎などがある
正常な身体変化として、乳汁分泌、乳房緊満が挙げられる
退行性変化…妊娠前に戻っていく身体変化
子宮復古や性機能の回復、循環血液量の減少などがある
正常な身体変化として、子宮復古や後陣痛、悪露、浮腫が挙げられる
異常な状態として、子宮復古不全や子癇による意識障害、尿閉が挙げられる
その他には、安静状態にしていることで便秘や静脈血栓のリスクがあったり、子宮内感染による産褥熱、外陰部裂傷などがあります。
これらの変化には時期があり、1日単位で変化が生じます。その変化の時期が異常を見分けるポイントにもなるため、術後同様、その変化の時期も押さえておきましょう。
看護問題、看護診断
- 浮腫
- 便秘
- 排泄障害(尿閉、尿失禁)
- 感染リスク状態
看護問題として挙げられやすい身体変化に関連した問題には浮腫や便秘、排泄障害があります。
浮腫に対しては足浴、便秘に対しては温罨法などのケアを実施することが多いです。
感染は出産や会陰裂傷に関連した細菌侵入によって費い侵される可能性があります。
また、産褥期は退院後も続くため、異常に気づけるようにパンフレット指導なども行います(助産師主導が大半)。
ポイント
ポイントは、術後の関連図同様、正常反応か異常反応かの違いを理解することです。
例えば、子宮復古は正常な退行変化のひとつですが、通常であれば戻っている時期に戻りきっていなかったり、悪露が続いていたりした場合は異常と判断します。
産褥期にある母親は患者ではありません。しかし、身体変化が著しいことや異常を引き起こしやすい状態にある対象です。
どこまでが正常でどこからが異常なのかを理解できるようにしていきましょう。
産褥期の関連図
産褥期の関連図↓
参考引用文献
ウェルネスからみた母性看護過程+病態関連図.第3版
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
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