男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回は「なぜ関連図が難しいと感じるのか」について書いていこうと思います。
「関連図が苦手」「関連図難しい」と感じる看護学生はかなり多いです。
もちろん、他の看護過程(アセスメントや看護計画)が苦手な人も多いのですが、関連図には関連図しかない難しさポイントがあります。
そのポイントを見て、自分はこれが理由で難しいと感じるな…と気づければ、苦手解消の糸口になるかもしれません。
この記事を読んで、自分の苦手を見つけ出しましょう!
1.一般的なものがない
まず、「一般的なものがない」です。
関連図には一般的なものがありません。
もちろん、病態関連図のようなものはありますが、患者情報に沿った関連図には一般的なものがないです。
関連図での言い回しやつなぎ方、細かさ、形式など表現の仕方が人や学校によって大きく異なります。
それはすなわちその関連図の理解や評価が大きく変わるということです。
どの関連図にでも当てはまるような関連図があればいいのですが、ここまで多様化が進んでいると参考にはできても全く同じ形では習熟しにくいでしょう。
ベースとなるものがないというのが関連図への対処法がないように感じてしまい、難易度が上がってしまうと考えられます。
2.論理性を重視する
ここは看護過程全般にも言えることではありますが、関連図では特に顕著に出てきます。
論理性とは、筋道が通っている、因果関係が明確であるなどとも言い換えられますが、関連図の前後関係がきちんとつながっているかどうか、ということです。
ここが結構苦手な人が結構多く、飛躍した関係線が引かれていたり、そうはならないだろうというところにつながっていたり、前後が逆転していたり…
この論理性は知識や考える力が必要で、長い教育の中で培われていくものです。
一朝一夕で身につくようなものではないので、いきなり書けと言われても書けないのです。
3.言葉を図式化する
看護過程において関連図は唯一図で表現する(=文章ではない)工程です。
図式化するための手法としては、アセスメントの文章を単語短文で切っていき、それを書いてある順番に置き換えていくという説明が一般的です。
しかし、文章(言葉)は人によって表現の仕方や書き方がかなり異なります。
それはつまり、元々の文章の表現によっては完成する関連図が変わってしまうということです。
例えば、
①「Aさんは全身清拭をしており、介助が必要である。また、食事もスプーンを使って食べられず、介助が必要である。これらのことから、清潔動作、食事動作が自立しておらず、ADLが低下していると考えられる。」
②「Aさんは入院後、ADLが低下している状態である。清潔動作は全介助の全身清拭であり、食事動作はスプーンを使えず全介助である。」
という2つのアセスメント(文章)がある。
これをそれぞれ図式化するとなると、
①全身清拭、食事全介助→清潔動作、食事動作の自立度低下→ADLの低下
② ADLの低下→清潔動作、食事動作の自立度低下→全身清拭、食事全介助
書く順番が違うために関連図の順番が全く逆になりました。
どちらが評価されるかは学校や教員によって違うと思いますが、対象把握の完成系を担う工程において、ここまでズレが出てきてしまうのは苦手感の素になってしまいます。
また、初めて習った人は、突然図式化というスキルを使うことにも戸惑うでしょう。
情報を分析して文章にしたアセスメント。
文での表現をなんとかし終えたと思ったら、いきなりこれを図にしろ、となるわけです。
初めてだとこれらに動揺してしまい、困難感や苦手感につながってしまうこともあります。(慣れていても)
4.レイアウト能力が求められる
図式化する上で最も厄介なのがレイアウト能力です。
レイアウト能力は関連図の全体のバランスを考えながらどこに何を配置するのかを決めながら書いていく能力です。
文章を単語短文に切って論理性を持ってつながるだけでも大変なところに、全体のバランスをみて…なんて求められるスキルが多すぎて混乱します。
しかもレイアウト能力にはかなり個人差がありますし、修正するにも手書きの場合はかなり手間がかかるし…
というように、レイアウト能力は身に付けていない人からすればかなり厄介な代物なのです。
対処法
では、この難しさに対してどうすればいいのでしょうか。
解決の糸口は2つあります。
1つ目はアセスメントの向上です。
先ほども説明した通り、関連図はアセスメントの図式化です。
つまり、関連図のベースになっています。
論理的思考についてもアセスメントできちんとできていれば、関連図の前後関係はしっかり書けます。
ベースのレベルを上げることで関連図の書きやすさやレベルも上がっていくと思います。
アセスメントはできていて、関連図だけが無理!という人は次です。
2つ目は何度も書いて慣れるです。
とりあえず、書き始めてみてください。
何度も書いていくうちに書き始めはここから、この下りはこの間書いた時にこのくらいの長さになったからこっちに配置しよう、など経験から自分なりの書き方や書き順、レイアウト能力が身に付いてきます。
以前書いた関連図を参考にしながらやっていくと、回数を重ねる内に参考にできる関連図も増えていきます。(本や参考書でもよい)
かなり大変ではありますが、地道に積み重ねていくことが解決の糸口になると思います。
ちなみに、レイアウト能力に関しては今後「関連図アプリ」にて作成機能を実装していきたいと考えているので、そこで線や情報を自由に動かして作ることができればかなりやりやすくなると考えています。(あとは鳩ぽっぽの頑張り次第^^;)
関連図アプリのダウンロードはこちら→関連図アプリ
まとめ
いかがでしたでしょうか
関連図を難しいと感じる理由は4つ
- 一般的なものがない
- 論理性を重視する
- 言葉を図式化する
- レイアウト能力が求められる
これだなぁ、と思うものはあったでしょうか。
関連図は難しいと思う人も多い工程ですが、看護過程において対象の全体把握をするという重要度の高いところです。
また、関連図を習得できると、臨床で対象把握や分析が容易になります。
難しいと感じている方も頑張って身につけられるようにしていきましょう!
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