男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は顕微鏡的多発血管炎です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
顕微鏡的多発血管炎とは、腎臓、肺、皮膚、神経などの臓器に分布する小型血管が炎症を起こす難病のひとつです。
原因は不明ですが、自己免疫異常によるものだと考えられています。(好中球細胞外トラップの関与)
自己免疫異常により、小型の血管壁が炎症し、出血や血栓の形成、組織壊死などを引き起こします。
腎臓、肺、皮膚、神経などある程度好発する部位が決まっています。
腎臓:腎糸球体血管の炎症により、糸球体バリアが損傷してタンパク質が漏出するタンパク尿、血管障害による出血で生じる血尿、腎機能の低下によって生じる腎性浮腫が起こります。
肺:肺血管が障害されることで肺胞出血が起こり、喀血・血痰が出ます。また、間質性肺炎を生じることもあり、これらによって呼吸困難などの呼吸器症状が出ます。
皮膚:皮膚血管が障害されることで、皮疹や皮下出血などが出現します。
神経:神経周囲の血管が炎症を起こすことで末梢神経障害(痺れ、筋力低下)などが起こります。
また、全身症状として、体温上昇による倦怠感や食欲不振などが生じます。
治療法はステロイドや免疫抑制剤などの薬物療法です。
看護問題・看護診断
- 安楽障害
- 不安
皮膚や神経症状による不快感や全身症状による倦怠感などの安楽を保てない状態になるため、安楽障害が挙がることが多いです。
また、様々な症状の出現や難病という治癒の見込みがないことから不安感を抱くことも考えられます。
ポイント
適切に治療が行われれば8割は寛解にいたるため、病床では出会う機会がほとんどないかと思います。
しかし、もし受け持つ場合はかなり深刻な状態になっている可能性があるため、その際はどの症状がどのメカニズムで生じているのかを関連図で整理できるようにしていきましょう。
顕微鏡的多発血管炎の病態関連図
顕微鏡的多発血管炎の病態関連図↓
参考引用文献
難病情報センター. 顕微鏡的多発血管炎
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
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