男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は慢性硬膜下血腫です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
慢性硬膜下血腫は脳を覆っている硬膜とクモ膜との間にある静脈からの出血により血腫が形成され、これが脳に障害をもたらす疾患です。
抗凝固薬や抗血小板薬の服用などによる易出血性を背景として、アルコール依存症や高齢者の転倒によって頭部を外傷することが主な原因です。
頭部を強く打つことで、クモ膜と硬膜の間の血管が損傷し、長期間出血が続くことで、徐々に血腫が形成されます。
この期間が数週間〜数年間だと慢性硬膜下血腫と診断されます。
血腫の形成によって脳実質が圧迫され、意識障害や記憶障害、麻痺や言語障害が生じます。
また、髄膜が刺激されることで髄膜刺激症状(持続的な頭痛)が生じます。
出血が止まりにくいため、再出血を生じることが多く、また回復が遷延することでビブローマという空洞が形成され、そこで再度血腫が形成されることで再発することがあります。
治療方法としては、ドレーンによる排液です。
また、易出血が薬物によるものの場合は中断も検討されます。
基本的には安静状態を保つことが必要です。
看護問題・看護診断
- 廃用症候群
- セルフケア不足
治療として安静状態を保つことが多いため、褥瘡や便秘、筋力低下などの廃用症候群を生じるリスクが高まります。
また、可動範囲が制限されるため、清潔行動や排泄行動などが制限されることもあります。
その際はセルフケア不足として生活介助などのケアが必要になってきます。
ポイント
慢性硬膜下血腫は高齢者に起きやすく、加齢変化も併せて身体活動性が低下しやすい疾患です。
慢性硬膜下血腫自体で生じるものと加齢変化によって生じるものの区別をつけつつ、お互いが繋がっている部分を強調しながら書いていきましょう。
慢性硬膜下血腫の病態関連図
慢性硬膜下血腫の病態関連図↓
参考引用文献
南山堂.看護のための臨床病態学改訂4版.慢性硬膜下血腫p464
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
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