男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回はクモ膜下出血の関連図です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
クモ膜下出血というと脳卒中3兄弟の一角で、比較的若年層でも起こりうる疾患です。
クモ膜下出血の主原因は先天性脳動脈瘤の破裂です。これに高血圧などが絡むことで生じます。それ以外に関連図に記載されている原因はかなり特殊なので、ほとんどの場合は先天性と高血圧だと覚えておきましょう。
症状は頭蓋内圧亢進症状である頭痛・嘔吐・うっ血乳頭や、圧迫による脳機能障害(痙攣・運動麻痺など)が生じます。
合併症は特徴的で、注意すべきものが3つあります。これはポイントにて解説します。
看護問題・看護診断
- セルフケア困難
- 廃用症候群
- 言語的コミュニケーション障害
- 誤嚥
主に後遺症による看護問題が多いです。特にセルフケア困難については運動機能の低下から生じやすく、看護師が介入する必要性の高いものとなっています。
ポイント
クモ膜下出血で特徴的なのは合併症です。
クモ膜下出血には3つの特徴的な合併症があります。
- 脳血管攣縮(れんしゅく)
- 水頭症
- 再出血
・脳血管攣縮(れんしゅく)
血管が収縮することで血流障害を引き起こし、脳虚血の状態になるものです。
約25%の患者に発生し、通常は発症後3~10日後にみられます。原因は明確にはわかっていませんが、出血量に比例して起こりやすくなるというデータがあります。
・水頭症
クモ膜下腔に出血した血液が固まり、髄液を吸収しているクモ膜顆粒に詰まります。これによって髄液が排出されずに溜まることで、脳内の圧力が高まります。これにより頭蓋内圧亢進症状を引き起こし、関連図には記載していませんが、脳ヘルニアになって死に至ることもあります。血液は24時間以内に固まるため、その前にシャントを形成して髄液を排出する治療を並行して行う場合があります。
・再出血
脳動脈瘤から出血すると、血管が収縮して血栓を形成して止血します。しかし、この止血は一時的なもので、高い圧力に耐えられず、再び破裂・出血することがあります。
通常は1週間以内に起こります。
クモ膜下出血の予後ですが、
死亡、後遺症、復帰の3パターンあり、それぞれ大体1/3ずつくらいの割合です。
死亡の率がその中でも高めですが、一度発症すると、再破裂のリスクなどは高くなり、予後が必ずしも良好であるとは言えません。未然に脳動脈瘤を発見して対策することが必要です。
クモ膜下出血の病態関連図
クモ膜下出血の病態関連図↓
引用参考文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
関連図アプリのダウンロードはこちら→関連図アプリ
病態関連図記事はこちら→鳩ぽっぽの関連図ブログ
病態関連図の販売一覧はこちら→鳩ぽっぽの関連図ストア
看護学生、編入、産業保健のお役立ち情報はこちら→鳩ぽっぽのnote
鳩ぽっぽのYouTubeチャンネルはこちら→鳩ぽっぽのYouTubeチャンネル
Twitterはこちら→鳩ぽっぽのTwitter