男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図はネフローゼ症候群です。
ネフローゼ症候群とは、腎疾患として有名な疾患です。
しかし、明確な原因は未だ謎であり、関連図を書く際はかなり面倒な疾患でもあります。
ネフローゼ症候群はいくつか種類があります。今回の関連図はその中で有名な微小変化型ネフローゼ症候群と原因が明確な二次性ネフローゼ症候群を紹介しています。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
病態は糸球体毛細血管の機能障害です。
T細胞・B細胞(免疫細胞)が何らかの原因で活性化し、液性免疫が発動することで、糸球体のスリット構造が崩壊し、糸球体の機能が低下します。
これにより腎濾過機能が低下し、代謝に必要な物質が体外へ流出してしまうことで様々な症状を引き起こします。
最も多様な症状を引き起こすのはタンパク質の流失で、ネフローゼ症候群の代名詞といえる症状です。
これによって血管外水分貯留や低タンパク血症、血管内脱水を引き起こし、浮腫や低栄養、脂質異常症、倦怠感などが出現します。
その他にもエリスロポエチン(造血因子)やトランスフェリン(鉄)喪失による貧血、アンチトロンビンⅡ(抗凝固因子)喪失による血栓症などが生じます。
看護問題・看護診断
- 浮腫
- 低栄養
- 安楽障害
- セルフケア困難浮腫軽減のための手浴や足浴、セルフケアの介助などを計画として立てて行きますが、栄養状態に関しては、ネフローゼ症候群の治療にも関わってくるため、医師や看護師に確認した上で計画を立てましょう。
ポイント
ネフローゼ症候群は腎濾過機能の低下によって体に必要な物質が体外に排出されてしまう病態ですが、目に見える形で出てくるものは一部です。
もちろんそれも重要ですが、潜在的にその問題やリスクが潜んでいる可能性があります。
血液検査などをチェックし、体の中で何が不足しているのか、それによって起こる可能性のある症状はどれかをアセスメントし、関連図に反映しましょう。
ネフローゼ症候群の病態関連図
ネフローゼ症候群の病態関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
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