男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図はハンセン病です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
ハンセン病は、らい菌という細菌によって引き起こされる慢性感染症です。
感染経路は飛沫感染ですが、らい菌を保有していても発症しない人が大半であることから、未解明の遺伝的素因があるとされています。
ハンセン病は発症までに長い潜伏期間があり、最短で1年、平均的には5~7年、長いときには20~30年後に発症することがあります。
症状は主に末梢神経障害、皮膚障害があります。
末梢神経障害では、痺れや筋力低下、感覚の消失があり、失明や勃起不全・不妊症、下垂足、手足の損傷に気づかず二次感染する等が生じてきます。
皮膚障害はハンセン病の特徴とも言え、発疹、皮膚斑、結節、丘疹などが生じます。かゆみなどは生じませんが、顔面などにこれらが生じると外観が著しく損なわれます。
その他の症状として、鼻腔の障害、腎障害、免疫系の炎症反応があり、慢性的な鼻づまり・鼻血、アミロイドーシス・腎不全、発熱・浮腫などが出現することもあります。
治療は主に薬物療法で抗菌薬が用いられますが、障害された神経や皮膚などはもとには戻りません。
また、らい菌は根絶がしにくいことから、長期入院となることが大半です。
看護問題・看護診断
- 安楽障害
- ボディーイメージ混乱
- 自尊感情の低下
ハンセン病は疾患による症状による直接的な看護問題より、外見的な部分に関する看護問題が挙がることが多いです。
特にボディーイメージ混乱については顔面の皮膚障害による変化を受け入れられず、大きなストレスになったり、自尊感情の低下につながったりします。
また、入院が長期化するため、社会的役割への影響も大きいです。
ポイント
ハンセン病患者は指定の専門病院にいることがほとんどのため受け持つ機会はあまりないと思います。
もし受け持つ機会があれば、病態や症状に焦点を当てるより、そこから伸びる看護問題や看護診断に注目しましょう。
上記で述べた通り、ハンセン病は精神・社会的な看護問題・看護診断が挙がりやすいため、S情報やそれに関連した項目を関連図内にきちんと組み込みましょう。
ハンセン病の病態関連図
ハンセン病の病態関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
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