男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は熱性けいれんです。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
熱性けいれんは発熱によって生じるけいれん発作のことを言います。
対象は6歳以下の小児で、6歳以上で起こるけいれんは熱性けいれんとは診断されません。
原因は主に感染症に伴う発熱で、乳幼児期における未熟な中枢神経系に負荷がかかり、脳での異常放電が起こると考えられています。
熱性けいれんには2つの型があります。
・単純型
発作が15分未満で治まるものをいいます。熱性けいれんの90%以上が単純型です。
・複雑型
発作が15分以上続くもの、または24時間以内に発作が2回以上起こるものをいいます。わずかですが、後年にけいれん性疾患を発症する可能性が高まります。
症状は様々あり、強直発作、間代発作、強直間代発作脱力発作などがあります。
・強直発作
突然意識を失い、口を固く食いしばり、呼吸が止まり、手足を伸展させた状態で全身を硬くしていきます。数秒〜数十秒間持続します。
・間代発作
膝などを折り曲げる格好をとり、手足をガクガクと一定間隔で曲げ伸ばししたりします。
・強直間代発作
突然意識を失い、全身を硬くしていきながら、徐々に手足を一定間隔で曲げたり伸ばしたりするようになります。
・脱力発作
急に身体の力が抜けてしまい、物を落としたり、転倒したりする。
今回の関連図では強直発作と間代発作を書いてあります。
その他の症状として、意識消失による脱力、脳における大量の酸素消費や呼吸運動不全による低酸素血症、チアノーゼなどが挙げられます。
けいれん発作が長時間続くとけいれん重積発作という状態になります。約15~20分以上持続すると診断されます。
けいれん重積発作の小児では、脳やその他の臓器に損傷が起きたり、呼吸不全に陥ったりするおそれがあり、速やかに治療しなければ死に至ることもあります。
治療は原因である熱を下げることです。主に解熱剤を投与することで治療は完了します。
けいれん重積発作の状態の場合は鎮静薬のロラゼパムや抗てんかん薬のホスフェニトインまたはレベチラセタムなどを投与して治療します。
看護問題・看護診断
- 不安・恐怖
- 安楽障害
- 転倒転落リスク
けいれん発作による不安感や恐怖感が挙げられます。
また、発熱している状態のため、不快感などを感じやすく、安楽状態が阻害されていることが多いです。
歩行できる年齢で意識消失などがあった場合、転倒転落によって怪我をする場合があるため、転倒転落リスクが挙がることがあります。
ポイント
症状が様々あるので、どの種類のものが生じているのかを情報収集して書いていきましょう。
複数ある場合もあるため、疾患症状をアセスメントしてからの方が書きやすいと思います。
熱性けいれんの病態関連図
熱性けいれんの病態関連図↓
参考引用文献
epiサポ.発作が起きたら
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
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