男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は進行性核上性麻痺です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
進行性核上性麻痺は脳の構造変化によって様々な症状が出現する難病です。
進行性核上性麻痺の原因は不明ですが、タウ蛋白という物質が脳に異常蓄積することで脳細胞の一種であるグリア細胞が異常な構造となる神経原線維変化を生じることで起こるとされています。
この変化は大脳基底核、脳幹、小脳で主に生じます。
これらの変化により、運動障害、仮性球麻痺、認知機能の低下などが生じます。
運動障害は2つあり、眼球運動障害と筋強剛があります。
眼球運動障害は主に上下運動が困難になり、特に下を向くことができなくなります。
筋強剛は筋肉が硬直してしまい、歩くことができなくなります。また、歩けてもスムーズにいかず、すくみ足や加速歩行、姿勢制御機能低下から、安定した歩行ができなくなります。
眼球運動障害による視野狭窄と不安定な歩行から転倒したり、活動量が減ることで廃用症候群が生じたりします。
仮性球麻痺は、球麻痺という延髄を障害したときの麻痺に似た麻痺のことを言います。
ここでは喉の辺りが障害され、構音障害や嚥下障害を生じます。
構音障害は聞き取れないような話し方になることで、コミュニケーション障害につながります。
嚥下障害は飲み込みがうまくいかなくなるため、誤嚥を生じ、誤嚥性肺炎につながることがあります。
認知機能障害は主に認知症につながり、判断力の低下や軽い見当識障害を生じます。
治療は現在のところなく、パーキンソン病治療薬やリハビリテーションなどで進行を遅らせることしかできません。
看護問題・看護診断
- 転倒転落リスク
- セルフケア不足
- 低栄養
症状にある運動障害によって不安定な歩行が転倒転落リスク、それによって活動量が減ることでセルフケア不足につながる可能性があります。
嚥下障害の場合、誤嚥リスクが高くなるため、摂食量が減り低栄養が挙がることがあります。
ポイント
進行性核上性麻痺は上記のような症状があるため、どのくらいの程度なのかをアセスメントした上で選択して書いていきましょう。
特に運動障害はADLなどに直接影響を及ぼすため、活動面のアセスメントを詳細にしておいた方がいいです。
進行性核上性麻痺の病態関連図
進行性核上性麻痺の病態関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
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