男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図はステロイドの副反応です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
ステロイドの副作用は数が多く、一つ一つが重篤なものが多いため、ステロイドを服用しているだけでも入院が必要なほどです。
その中でも、特に頻度が高く重要性の高い副作用は、中心性肥満、糖尿病、骨粗鬆症、易感染性です。
〈中心性肥満〉
脂質代謝の過剰により体脂肪が蓄積されやすくなります。その蓄積が身体の体幹部分を中心に生じることで中心性肥満となります。
ステロイドによって生じる見た目的変化の中では最も大きく、ボディイメージに影響を及ぼす要因となることがあります。
〈糖尿病〉
糖代謝の異常により、耐糖能の異常(インスリン抵抗性)や高血糖状態が持続することで生じます。
2次発生する疾患の中では生活や更なる疾患リスクを孕んでおり、重大性が高い副反応です。
後ほど説明する易感染性にも影響を及ぼすため、注意が必要です。
〈骨粗鬆症〉
腸管でのカルシウム吸収阻害や骨形成能の低下などから骨密度が低下し、骨粗鬆症となります。
骨粗鬆症は転倒転落などがあった際に骨折のリスクを高める要因となるため、発生しているかどうかを判別する必要があります。
〈易感染性〉
炎症サイトカインを抑制することで免疫細胞の活性化を抑制し、免疫力が下がり生じます。
ステロイドは本来、抗炎症作用によって痛みや腫れを引かせる効果がありますが、それが免疫力を下げてしまい、感染症にかかりやすい状態(易感染性状態)となってしまいます。
また、加齢や糖尿病などの免疫力低下の要因を他にも持っている人はより注意が必要です。
関連図を見る際はこれらの副作用に注目してみていきましょう。
看護問題・看護診断
- 感染リスク状態
- 転倒転落リスク
- ボディイメージの変容→自尊感情の低下、孤立
- 自己健康管理促進準備状態
ステロイド長期服用患者の看護過程で挙げられやすいです。
看護の方向性としては身体を清潔に保つ、環境整備、服薬指導をすることで副作用に伴う合併症や障害を予防していきます。
ポイント
ポイントはどの症状が副反応として出ているかを書くことです。
これは薬物療法の副反応の全般に言えますが、副反応は全てが出るわけではありません。個人によって出てくる反応の種類や程度は変わってきます。
また、ステロイドのみで入院している人ならともかく、主疾患も併せて関連図に組み込むとなると、スペースがかなり限られてきます。
自分の受け持ち患者にはどの症状が出ていて、看護問題があるか。
この時点で関連図を書けるようななってみてください。
ステロイド副反応の関連図
ステロイド副反応の関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
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