男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は心室中隔欠損です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
心臓の右側と左側を隔てる中隔に孔が開く疾患です。
先天性疾患(ダウン症、18トリソミーなど)にて心臓の発達異常として生じ、小児期に発生します。
看護実習では小児実習で受け持つ機会があると思います。
孔の大きさは小さいものから大きいものまで様々ですが、小さいもののことが多く、症状もほとんど出ません。自然に閉鎖するため、治療の必要もありません。
孔が大きいものは動脈血が左室から右室へ流入してしまい、左右短絡が形成されることで肺循環、心臓自体に影響を及ぼします。
肺循環では、肺血流量が増えることで、肺血圧が上昇します。
これによって肺血管が浮腫を起こしたり、気管支を圧迫し、呼吸症状を引き起こします。
小児科における呼吸症状は哺乳困難を生じさせ、成長発達に影響が出ます。
また、肺血管抵抗が増大して心臓の右側の圧が高くなっていくと左右短絡→右左短絡の状態になります(アイゼンメンジャー症候群)。相当な重症例のため、看護学生が受け持つことはあまりないと思います。
心臓への影響は主に心負荷の増大で、心臓の機能が低下した状態、心不全を引き起こすことがあります。
治療は主に外科手術によって孔を塞ぐことです。しかし、新生児の場合は手術に耐えられないことが多いため、手術ができるまでは降圧剤などで対応します。
看護問題・看護診断
哺乳困難→成長発達不良
安楽障害
小児期の疾患のため、成長発達に影響を及ぼすことが多いです。また、自由に動ける状態にないことや呼吸症状が出現する可能性があることから、安楽障害が挙げられます。
ポイント
小児期の疾患のため、成長発達にどの程度、どのように影響を及ぼしている、もしくは及ぼす可能性があるかを関連図に明確に書く必要があります。
アセスメントの健康知覚や栄養の部分で書いた内容をきちんと書きましょう。アセスメントできていない場合は後からでも大丈夫ですので、先にアセスメントを書いてから関連図に書き込んだ方がいいです。
心室中隔欠損症の病態関連図
心室中隔欠損症の病態関連図↓
参考引用文献
南山堂.看護のための臨床病態学改訂4版.心室中隔欠損症p131
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
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