男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図はギランバレー症候群です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
ギランバレー症候群は神経伝達障害を病態とする脱髄性末梢神経疾患です。
原因はまだ明らかではありませんが、ウイルスや細菌感染が引き金となり、その抗体の自己免疫反応が生じると言われています。
末梢神経の髄鞘や軸索に損傷が起こり、神経伝達障害が生じます。
神経の種類を問わず、末梢神経に生じるため、運動・感覚に障害が起こります。
筋肉への伝達障害が起こると筋肉がうまく動かせず、筋力が低下します。(弛緩性麻痺)
両足の筋力低下は歩行困難を、顔面や嚥下関連の筋力低下は嚥下機能障害を、呼吸筋の筋力低下は呼吸困難を引き起こします。
初めは足から生じ、徐々に上に広がっていきます。
筋力低下は通常3~4週間かけて悪化し、その後は変化しないか回復に転じます。
感覚を司る神経が障害されると感覚障害として異常知覚や感覚消失が生じます。
ただし、感覚障害は運動障害に比べると軽度です。
これらの症状が急速に悪化する可能性があるため、基本的に入院することになります。
治療は主に薬物療法として免疫グロブリン製剤の投与や血漿交換療法として抗体除去を行います。
呼吸困難が生じている場合は人工呼吸器の装着、嚥下機能の低下が生じている場合は補液や経管栄養などを行います(支持療法)
ちなみに、大半の人は治療を受けなくても数ヶ月かけて自然治癒します。
看護問題・看護診断
- 安楽障害
- セルフケア不足
- 低栄養・脱水
筋力低下による運動・活動の制限が生じるため、日常生活動作の自立度が下がります。(セルフケア不足)
また嚥下障害が生じた場合、経口摂取が難しくなり、低栄養や脱水といった問題が生じる場合があります。
呼吸困難や感覚障害によって安楽が保たれない状態(安楽障害)になることがあります。
ポイント
ギランバレー症候群はほとんどが治癒する疾患ですが、活動面に大きな制限をかける症状です。
これにより、他の疾患よりも活動面の問題が多く挙がりやすいです。
よって病態より患者の状態に重きを置く関連図になるため、アセスメントをきちんとして臨みましょう。(病態だけだと結構スカスカになります。)
ギランバレー症候群の病態関連図
ギランバレー症候群の病態関連図↓
参考引用文献
南山堂.看護のための臨床病態学改訂4版.ギラン・バレー症候群p479
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