男性産業保健師の鳩ぽっぽです。 今回の関連図は加齢変化です。
加齢変化は疾患ではありませんが、身体機能が著しく変化するため、個別の関連図としてご紹介します。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい加齢変化に関する情報
- 本変化でよく出る看護診断、看護問題
- 本関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
病態ではありませんが、加齢変化のメカニズムについて記載していきます。
加齢変化は身体機能のすべてにおいて低下の傾向にあります。
一部維持されるものもありますが、それについては本関連図ではひとまず割愛します。
大きく分けて、運動機能、循環器系、呼吸器系、内分泌系、腎泌尿器系、消化器系、感覚機能、血液系、神経系が挙げられます。
この中で疾患に直接結びつきやすいのは、循環器系、消化器系、血液系、神経系です。
循環器系は、心機能の低下から心不全に至ることが多く、心不全における直接原因として加齢変化が挙がることがあります。
消化器系では、喉咽頭機能の低下から生じる誤嚥性肺炎が挙げられます。
血液系では主に免疫細胞の減少、機能低下から免疫力低下を生じることがあり、これが感染症につながることが挙げられます。
神経系では、脳機能の低下から認知機能の低下、認知症が疾患としてつながります。
その他にも疾患に間接的につながっていたり、後述する看護診断や看護問題につながる要素が様々あります。
看護診断、看護問題
- 廃用症候群(転倒、便秘、起立性低血圧など)
- 低栄養
- 睡眠障害
- 排泄障害(頻尿、失禁)
この他にも細かく見ていけば関連している看護問題はありますが、代表的なものだけ列挙しました。加齢変化は疾患とは違い改善や回復は困難なため、これらの看護問題に対して必要な介助や援助が求められます。
ポイント
今回はポイントというより使い方の説明です。
加齢変化の関連図では、それぞれ〜の変化と項目ごとに分けて書いていますが、実際に関連図を書くにあたってこのように書くと、線がごちゃごちゃになる可能性があります。
そのため、関連図に書く際は〜の変化の下部分から書き始めましょう。
そして、その患者にあった部分を選択して組み合わせてください。
例えば、大腿骨頸部骨折の関連図を書く際に、高齢者の転倒を原因としたい場合、加齢変化として平衡感覚機能の低下、筋力の低下、視力の低下、認知機能の低下を選び、書いていきます。
このように全てを書くのではなく、その患者に必要な部分だけを抜き出して書いていくイメージです。
今回の関連図では加齢変化のうち身体変化を取り上げていますので、疾患病態で加齢変化を使いたい場合は是非ご活用ください。
加齢変化の関連図
加齢変化の関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
生活機能からみた老年看護過程+病態・生活機能関連図.第3版
他にもありましたが、借り物だったため忘れてしまいました。すみません。
関連リンク
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