男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は急性膵炎です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
急性膵炎は急性的に膵臓が炎症を起こす疾患です。
原因は一般的に2つあり、胆石と大量の飲酒です。
胆石の場合は、オッディ括約筋という膵管の出口にある筋肉に胆石が詰まり、膵管が閉塞してしまうことで起こります。
閉塞したことで膵液が排出できず、膵液が蓄積され続けます。
膵液はタンパク質(厳密にはポチペプチド、トリペプチド)を分解する働きがあるため、溜まり続けると膵臓そのものを消化してしまうようになり、これによって炎症反応が起こります。
大量の飲酒の場合は、膵臓で飲酒によって生じた有害物質を処理する際、それに曝露され続けることで、炎症反応が起こります。
膵臓での急激な炎症反応が起こり、急性膵炎となります。
症状としては、炎症反応によって生じる腸管浮腫、上腹部痛、感染症などが代表的です。
また、痛みによって迷走神経反射が生じ、嘔吐や起立性低血圧を起こすこともあります。
急性膵炎が進行していくと酵素やサイトカインが血中に流入すると臓器不全や血圧の低下を起こしたり、膵臓が壊死すると体液が大量に流出してショック状態となることがあります。
治療は絶飲食、輸液を行い、痛みなどを抑える鎮痛薬を使用する。
基本的にはこの支持療法でほとんどが軽快する。
看護問題・看護診断
- 安楽障害(疼痛)
- 栄養状態の悪化
- 自己健康管理促進準備状態
疼痛は急性膵炎の主症状で、安楽障害を生じることが多い。
栄養状態の悪化は治療の絶飲食によって生じることがある。
急性膵炎は原因として大量の飲酒があるため、飲酒習慣のある人が多い。その場合、何度も急性膵炎を何度も繰り返す可能性があるため、
患者自身の生活習慣指導を進めていく必要がある。
ポイント
急性膵炎は原因がはっきりしており、生活習慣に起因していることがほとんどです。
そのため、患者の生活習慣をきちんと把握することで関連図が格段に書きやすくなる。
看護過程の最初の段階である情報収集に力を入れ、原因と考えられる生活習慣(主に飲酒、高脂質な食事)がないか確認していきましょう。
また、痛みの発生や嘔吐などのメカニズムは炎症や神経といったもののためイメージがしにくいかもしれません。
その際は関連図で順を追って理解していきましょう。
急性膵炎の病態関連図
急性膵炎の病態関連図↓
参考引用文献
南山堂.看護のための臨床病態学改訂4版.急性膵炎p270
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
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