男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は膵癌(膵管癌etc.)です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
膵癌、膵臓癌は生存率の低い癌として有名です。その理由として、発見が困難であり、診断されたときには進行していた、ということがあります。
膵臓腫瘍にはいくつか種類があり、それぞれ症状が異なります。
①膵管の細胞ががん化する膵管癌
②嚢胞ががん化する膵管乳頭粘液性腫瘍
③神経内分泌細胞ががん化する神経内分泌腫瘍
膵癌のほとんどをこの①が占めており、②、③は別疾患とされている場合があります。
今回はこれら全てを一つの関連図にまとめています。
①と②は外分泌系の障害、③は内分泌系の障害が病態です。
症状としては、
外分泌系の障害…食物の消化吸収障害に伴う下痢、腹部膨満、ビタミン欠乏症、低栄養
内分泌系の障害…インスリノーマによる低血糖症状、ガストリノーマによる低血糖症状・消化管潰瘍、グリカゴノーマによる高血糖症状、VIPオーマによる水溶性の下痢・低カリウム血症
そのほかに、①、②は膵管の閉塞による閉塞性黄疸や癌浸潤による発熱、疼痛などが生じやすいです。
症状の出方によってどのタイプの膵癌なのかを理解して関連図を書いていきましょう。(診断で書かれている場合は、それをもとに書いていきましょう。)
看護問題、看護診断
- 低栄養
- 疼痛
- 安楽障害
- セルフケア困難
膵癌患者に対しての看護は食に関係することが多いです。消化管症状や低栄養を引き起こしやすいため、栄養の確保を本人に合わせて援助していく必要があります。食形態や内容に関しては看護学生では勝手に変えられないため、患者の意見を伝えることや可能な範囲を患者に伝えるといった立ち回りになります。食欲を促進する援助は効果がでないこともありますが、無理をせず、引き際を弁えておきましょう。
また、そのほかにも、疼痛や掻痒感、腹部膨満による安楽障害や倦怠感によるセルフケア困難などが考えられます。
ポイント
膵臓癌の関連図ポイントは出現している症状が外分泌系障害なのか内分泌系障害なのか、です。
前述した通り、この2つでは症状の出方は全く異なるため、看護も変わってきます。(ほとんどが膵管癌のため、恐らく外分泌系障害だとは思いますが)
看護問題や看護診断をより適切に見出せるよう、症状のメカニズムがどちらなのかをきちんと判別しておきましょう。
膵癌の病態関連図
膵癌の病態関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
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