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関連図の書き方

【看護学生】関連図の書き方〜個別性と言われないようにするコツ〜

投稿日:2021年4月16日 更新日:





男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回は個別性のある関連図の書き方について書いていきます。

「個別性のある関連図」

「根拠」と同じくらい看護学生時代に出てくるワードである「個別性」。
関連図ももれなく個別性を求められます。
しかし、「個別性のある関連図ってなんだよ」ってなる人が大半だと思います。

では、そもそも個別性とは何でしょうか。
実用日本語表現辞典によると、「身体などについて、個々別々に存在していること。または、そうした概念。」とあります。
また、看護の個別性に関する論文には、個別性自体に関する記述はほとんど見られなかったが、概ね、患者によって健康レベルや背景異なるため、それに合わせた看護が必要、みたいなことを言っています。
要は、「一人一人の違いや特徴」が個別性ということだと自分はざっくり考えています。

これを踏まえて、関連図における個別性とは何かを具体的に見ていきましょう。

個別性のポイント

原因
疾患によっては原因は様々あります。
例えば、生活習慣病などは日々の生活習慣によって引き起こされます。
この生活習慣は人によって異なります。お酒、タバコ、過食、お菓子などなど
このように一つの疾患に対しての原因は人によって異なる場合があり、その際はここを個別性といっていいと思います。
ただし、もちろん例外もあります。例えば難病は原因不明のことがほとんどですし、COPDのように原因が一つの時もあります。(COPDに関してはこれも個別性じゃないのか?と言われそうですが、詳しくは後述します。)
このような時は個別性がある関連図には捉えられない可能性があるため、原因で個別性は出せないことになります。

症状
症状は原因以上に人によって異なります。
症状の種類、症状の強さ、症状のタイミングなどかなり違います。
自分がよく書いている病態関連図がありますが、あれはその疾患に対して出てくる全ての一般的症状を書いているため誰にでも当てはまられます。
しかし、目の前の患者にはそれら全てが出ることはそんなにありません。(出てても出方などが異なります。)
一般的な症状のうち、何がAさんに出ているのかを選択するだけでも十分個別性があると言えるでしょう。

患者の状態
症状に直接関連する患者の状態ももちろん個別性です。
症状の先に何が生じているのか、は人それぞれ異なります。
また、人によってその状態が問題になっているか、いないかも個別性と言えるでしょう。
例えば、痛みや発熱からストレスを感じている状態だったとしても、その先に食欲低下や睡眠障害のような問題に繋がる人もいれば、コーピングできており問題なしとなることもあります。

心理・社会面
心理社会面は個別性において最も分かりやすく、簡単に出すことができます。
なぜなら、この2つは症状や患者の状態とは異なり、全く同じということが基本的にはないものだからです。
1人として全く同じ価値観や家族を持っていないので、それを書くだけで「個別性のある関連図」の完成です。

 

教員・指導者に魅せる個別性

さて、ここまで見てきた皆さん、薄々感じていると思いますが、
患者の関連図を書く=個別性のある関連図
です。
つまり、どんな関連図を書いてもどこかに個別性はあるんです。(病態関連図など一般的な関連図は除く)
ただ、それを教員や指導者が感じ取ってくれるかは別です。
教員に「もうちょっと個別性のある関連図書けないの?」
と言われるのも、教員に伝わるように個別性を表現していない、というのが原因だったりします。
ここからは、教員・指導者に伝わる個別性の表し方のコツを見ていきましょう。

・S情報を入れる
思いや言葉はその人だけのものです。
S情報が入るだけで、他の人にも当てはまるような項目に個別性を感じられます。

具体性を持たせる
関連図の指摘を受ける要因の一つに細かさが足りない時があります。「内容が薄い」とか言われるあれですね。
この内容が薄いというのは個別性がないのと密接に関連していて、個別性を感じやすくするには内容を細かく、具体的に書いていくことが必要です。
例えば、歩行困難からADLの低下とすぐにつなげてしまう人は多いと思いますが、これを、
歩行困難→清潔動作の低下、排泄動作の低下→ADLの低下
とすると、グッと具体性が上がります。ADLの内容を細かく書くことで、その人がADLの何が阻害されているのかも分かり、個別性につながります。

生活の視点を組み込む
前述した通り、社会面は人によって大きく異なります。
その中でも特に個別性を感じてもらいやすいのが、生活面です。入院前の生活はどうだったか(ADL、IADL、健康管理、趣味など)や生活習慣(食事、嗜好品、味の好み、睡眠習慣、運動習慣など)が挙げられます。
教員や指導者、看護師は「患者さんを生活者として捉えて看護すること」をよく言っています。それだけ彼らが生活面に注目していることがわかります。
故に、関連図にその部分が入っていると、「患者をきちんとみれている」と感じ、個別性のある関連図と感じてもらいやすくなります。
本当にそうかは分かりませんが、自分の経験上はその通りの反応でした。

・看護問題や看護診断、看護の焦点を書く
普段、これらを書かない人は書いてみましょう。
看護問題や看護診断などは患者の状態がわかって初めて出てくるものです。
つまり、それだけレベルの高い関連図であると言えます。
一定のレベルの関連図には個別性は必然的に見て取れます(経験談)
個別性を表現することにやる気が出ない人は関連図そのもののレベルを上げてみると変わるかもしれません。

まとめ

今回は関連図における個別性について書いてきました。

  • 全ての関連図に個別性はある
  • 関連図に個別性を感じさせるようなコツを使う

経験を基にした主観的な意見もありましたが、参考ならば幸いです。

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