男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回は以前書いた「関連図が書けるようになる方法〜苦手な人向け〜」の続きです。
前回の要約は、関連図はパズルであり、そのピースを組み合わせることが大事、でした。
今回はそのピースである”関連図でよくある流れ”をご紹介します。
前回の内容
前回の内容の要約はこんな感じです。
- 関連図はパズルである
- パズルのピースは関連図を書く上で”よくある流れ”のことを指す
- そのパズルを患者に合わせて組み合わせていくことができるのが大切
- ピースはできる人から教えてもらう、作ってもらうのが最も楽で効率的
- 鳩ぽっぽの関連図ブログもその手段の一つである
こんな感じでした。
もし、これだけでは分からないという方は以下のリンクから記事を読んでみてください。
今回はその”よくある流れ”(テンプレ)を具体的に紹介していきます。
①低栄養
栄養の部分で看護問題として挙げられやすい低栄養(栄養状態の悪化)。
看護診断では栄養摂取消費バランス異常:必要量以下という長たらしい名前です。
この看護診断の原因として主を占めるのは摂食量の減少です。
血液データ(TP、Alb、Hbなど)やBMIの情報、栄養アセスメントから低栄養が考えられたら、その原因を探るために摂食量が減っていないかを確認してみましょう。
②脱水
高齢者に起こりやすい看護問題の一つで、看護診断では体液量減少とも挙げられます。
原因の中に摂食量の減少がありますが、食事からも水分が得られることから挙げられてます。そのため、低栄養の人は脱水のリスクも高いと言えます。
ポイントは保水能力低下と飲水量の減少です。
高齢者は加齢変化に伴いどちらのリスクもベースで持っています(頻尿による排尿量増加も)。リスクの評価や症状が出ていないかの観察をした上で書いていきましょう。
③ADLの低下
ADLの低下、セルフケア不足と表現されるこの看護問題は運動機能の低下や活動制限など、主に活動・運動に関係するところから伸びてきます。
この活動(摂食動作、排泄動作、清潔動作など)と運動(身体機能、筋肉量)などの障害や低下が出てきたら、このテンプレを思い出しましょう。
ここで注意するのはADL低下やセルフケア不足はあくまでも全体的な生活動作の不良であることです。
ADLやセルフケアは生活動作すべてのことを指します。
そのため、摂食動作不良や排泄動作不良などが単体で存在した場合は、摂食セルフケア不足、排泄セルフケア不足と表現します。
ただし、教員の中には、これらのセルフケアがすべて揃っていなくても、ADLの低下やセルフケア不足と挙げてもよい場合もあります。
ADLの低下を低栄養や安楽障害などの看護問題へ直接つなげない方がいいです。
低栄養はADLのうち摂食動作不良からしか伸びませんし、安楽障害も清潔動作不良や排泄動作不良からしか伸びません。
ADLは生活動作すべてを指す言葉のため、つなげてしまうと意味合いが少し変わってきます。
また、廃用症候群や自尊感情の低下など、ADLの低下そのものが引き起こす問題もあるため、ADLの低下から低栄養や安楽障害などは伸ばさないほうがいいです。
正直、この辺りは個人の感覚にもよるので、ADLの低下から摂食動作不良につなげて低栄養へ…など自由に組み合わせてアレンジしてもいいと思います。(先生が許す形でなら)
④睡眠障害
睡眠障害では、原因は複数あることが多く、必然的に関係線も増えます。
ポイントとしては、原因よりも何が障害として出ているか、です。
睡眠障害の下の部分になりますが、それが日中の活動にどのような影響を及ぼしているのかを選択してください。
これに関しては睡眠障害の種類(入眠困難、中途覚醒、早期覚醒、昼夜逆転など)にもよるので、どの種類かはアセスメントの時点で分析しておきましょう。
まとめ
今回は関連図のテンプレ紹介でしたがいかがだったでしょうか。
重要なのはこのテンプレをそのまま写すことではなく、受け持つ患者に合わせて選択・アレンジすることです。
ここができなければ、一般論的なものしか書けず、個別性がない関連図と言われます。
テンプレを使う際も、きちんと考えて使っていきましょう。
今回の記事が少しでも実習の効率化に役立ては幸いです。
頻出テンプレ②はこちらから!(言語的コミュニケーション障害、ノンコンプライアンス、安楽障害・睡眠障害、皮膚統合性障害リスク障害)
関連リンク
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