男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図は脳性麻痺です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
脳性麻痺とは、脳の損傷によって生じる様々な症状の総称であり、小児の疾患です。
出生前の脳奇形や分娩中の酸素欠乏、出生後の感染・核黄疸をによって生じた脳損傷が主な原因です。
完全には風疹やトキソプラズマ、サイトメガロウイルスなどがあります。
特に未熟児などは脳奇形や出生後の負荷への耐性が低いことから脳性麻痺になる可能性が高いです。
脳性麻痺にはいくつかの種類があり、それぞれで症状の出方が異なります。また、症状の程度も個人差が非常に大きいです。
けい直型
全体の70%を占める。主に麻痺や視覚障害があります。
最も重いものはけい性四肢麻痺で、けいれん発作や嚥下障害、知的障害が出てくる。
片麻痺、両麻痺、対麻痺の場合はけいれん発作の頻度も低く、知能も正常であることが多い。
アテトーゼ型
アテトーゼとは体をよじらせる不随意の運動のことで、アテトーゼ型は身体の一部がゆっくりと不随意に動く症状が出る。
発音が困難な場合が多く、原因が核黄疸の場合は難聴などの症状も出ることがある。
全体の20%を占める。
運動失調型
運動失調型では体の各部の動き(特に歩行時)を制御して調整するのが困難になり、筋力低下が起こります。
また、手が震えたりする振戦が起こることがあります。
全体の5%を占めます。
混合型
上記の型が二つ以上複合的に生じている場合を混合型といいます。
多くはけい直型とアテトーゼ型の2つです。
重度の知的障害を有することが多いです。
予後としては、ほとんどの脳性麻痺の場合は適切な治療や訓練を行えば、成人以降も生き続けられます。
ただし、身の回りのことができない、口から食べ物を食べれないほど重度の場合は余命がかなり短くなります。
脳性麻痺の障害は一生続くため、根治治療は望めません。しかし、適切な理学療法や作業療法、言語療法によって自立度を上げていき、日常生活を送ることもできるようになります。
看護問題・看護診断
- セルフケア不足
- 廃用症候群
- コミュニケーション困難
重度の場合、寝たきり状態や歩行困難な状態のことが多いため、セルフケアが十分にできないことが挙げられます。また、行動制限がかかるため、廃用症候群にも注意が必要です。
コミュニケーション困難については、アテトーゼ型の発音障害や難聴によって生じる看護問題です。
ポイント
脳性麻痺はどの型か、型の中でもどのレベルか、によって症状が大きく変わります。
特にけい直型では、四肢麻痺とそれ以外では知的レベルや生活動作などに大きな違いがあります。
また、混合型などの場合はどの型の複合なのか、それぞれどの症状がどのくらい出ているのか、も関連図を書く上で必要な情報です。
個人差も大きい疾患のため、この辺りをきちんとアセスメントで分析・整理してから関連図にまとめましょう。
脳性麻痺の病態関連図
脳性麻痺の病態関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
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