男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
関連図を書く際、どこまで関係線を伸ばし続ければいいのか、わからなくなる時があると思います。
今回は「関連図の終わり方」についてみていきましょう!
関連図の終わり方とは
関連図の終わり方とは、どこまで関係線を伸ばせばいいのか、関係線の終わり方という意味です。
言葉で表現するのが難しいので、下図をご覧ください。
このように、それぞれの関係線で必ず行き着いく部分があります。
これをどうやって判別するのか、が皆さんが悩むところです。
ここで終わりにしていいのか、それともまだ続けるべきか、その具体的な見分け方についてご紹介していきます。
リスク
リスクが出た場合、それ以降の関係線はリスクのリスクとなってしまうため、推測の域を出ない状態となります。
基本的にリスクはその事象が起こる可能性が高い+起こった際の重大性が大きい場合に挙げるため、関連図の関係線の中ではせいぜい一つ挙がれば十分です。
リスクが出てきた場合には、そのリスクの可能性、重大性が高いかどうかを考え、その上で一つの単語でまとめて書きましょう。
ex.転倒リスク、感染症リスクetc.
看護診断
看護診断の中でも看護診断自体が結論になりうるものはそこで関係線を終わらせても大丈夫です。
例えば、自己健康管理促進準備状態、便秘などが挙げられます。
低栄養や睡眠障害などはその先に感染リスクや体重減少、易疲労感、覚醒不良などがつながるため、除外されます。
見分け方としては、その看護診断の先に新たな問題や課題が出てこないか、について問うことです。
もしなければそこで終了してもいいですが、あった場合はその先も関係線を続ける必要があります。
アセスメントの結論
アセスメントを書く際、末尾を
「〜と考えられる。」
「〜となっている。」
「〜である。」
とすることが多いと思います。
アセスメントの結論とは、この〜の部分のことを指します。
例えば、「ADL低下から自尊感情の低下が考えられる。」の場合、「自尊感情の低下」
「家族が毎日面会に来ており、これが情動焦点型コーピングとなっている。」の場合、「情動焦点型コーピング」
がアセスメントの結論となります。
このアセスメントの結論は言葉の通り分析した結果言えることなので、そこから新たな問題や課題が出てこない限りはそこで終わりになります。
少し関連図のことを理解している人の場合、
アセスメント(文章)を図式化したものが関連図のため、その結論が一番最後にくること、そしてそこで関係線はひとまず終了することがわかるのでは無いでしょうか
ex.
Aさんは呼吸困難があり、行動に制限が生じている。行動制限が生じたことで活動頻度が減り、ADLの低下が生じている。ADLの低下に対し「人に迷惑をかけるなんて…」との発言があり、このことから自尊感情が低下していることが考えられる。
↓
呼吸困難→行動制限→活動頻度の低下→ADLの低下→自尊感情の低下(これが結論)
死につながる場合
次の関係線が死につながる場合はその時点で終わりです。
自分の学校だけだったかもしれませんが、基本的に関連図で「死」はNGです。
なぜなら、関連図はアセスメントの図式化のため、アセスメントで死を扱わない限りは書いてはいけないということと、死を許してしまったら全ての関係線がここに結びついてしまうためです。
ex.
脳出血→再出血→出血多量→死 ×
脳出血→再出血→出血多量 ◯
次に書こうとしているものがアセスメントしていない内容の場合
これは既にもう言いましたので深くは語りませんが、
関連図はアセスメントの図式化です。
そのため、アセスメントしていない内容を関連図には書いてはいけません。
次に繋げようとしているものが書いていないものの場合、アセスメントで書いていないため繋げられません(強制的にそこで終了です)
もし繋げたい場合はアセスメントに追加をして、書きましょう。(書けない場合は無理して書く必要はありません。)
まとめ
今回は関連図の終わり方について具体的な例を交えながらあげてきました。
- リスク
- 看護診断
- アセスメントの結論
- 死につながる場合
- 次に書くものがアセスメントしていない内容の場合
ただし、これはあくまで一般例ですので、関連図の形式や患者の状態によっては例外があることがあります。(教員がルールなので…)
必要に応じて変更しながら関連図を書いていってください。
関連リンク
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