男性産業保健師の鳩ぽっぽです。
今回の関連図はファロー四徴症です。
この記事で知れること
- 看護学生レベルで知っておいた方がいい疾患病態情報
- 本疾患でよく出る看護診断、看護問題
- 本疾患関連図の特徴や押さえておいた方がいい知識
病態
ファロー四徴症は先天性の心臓疾患です。
四徴症というくらいなので、4つの病態・症状があります。
- 肺動脈狭窄
- 大動脈騎乗
- 心室中隔欠損
- 右室肥大
実際の病態では、このうち1と3が主となっており、それに応じて2と4になっていくというイメージです。
・肺動脈狭窄→大動脈の拡張→大動脈騎乗
・心室中隔欠損→右室圧上昇→右室肥大
これらの病態によって、呼吸・循環器障害の症状が出現します。
最も特徴的なのはチアノーゼです。
これは肺動脈狭窄と心室中隔欠損による右室からの静脈血流入によって生じます。
低酸素血症状態が続くため、呼吸困難やばち状指などが出現するだけでなく、生後二ヶ月以後になると癇癪を起こしたり、動揺することでチアノーゼ発作が生じるようになります。
このチアノーゼ発作によって呼吸停止や意識消失、けいれんなどを引き起こすことがあるため、注意が必要です。
根治治療は手術しかありません。しかし、あまりにも小さいと手術に耐えられないため、成長を待ってから手術をする場合が多いです。その間は薬物で対処療法を進めていきます。
看護問題・看護診断
- 組織循環不全(チアノーゼ、脳虚血etc.)
- 安楽障害
- 乳児行動統合障害
看護としてはチアノーゼ発作を起こさないよう観察、ケアの工夫があげられます。例えば、温度湿度の調整、出来るだけ低侵襲のケアを選択する、食事哺乳は本人のペースを遵守、睡眠環境を整えるなど可能な限り刺激を少なくし、安楽な状態にすることで癇癪などを起こすリスクを減らします。
また、家族に対しては接し方のコツや退院後の留意点などを指導することが考えられます。
ポイント
ファロー四徴症は病態が複雑です。
4つといっても、それぞれが流れとして独立しているわけではなく、つながり合っています。
そのため、関連図を書く際は、この4つの病態がどのようにつながっているのかを明確に表現することがポイントになります。
また、この疾患は小児期にしか起こりません。
そのため、成長発達を関連図に書き込む必要があります。
ファロー四徴症は呼吸系の症状を生じるため、行動制限によって成長発達が通常よりも遅れることがあります。
身長や体重の情報収集を行い、疾患と成長発達の関連性を示せるとよりよくなります。
ファロー四徴症の病態関連図
ファロー四徴症の病態関連図↓
参考引用文献
医学書院.看護診断ハンドブック第10版
医学書院.疾患別看護過程第2版
関連リンク
関連図アプリのダウンロードはこちら→関連図アプリ
病態関連図記事はこちら→鳩ぽっぽの関連図ブログ
病態関連図の販売一覧はこちら→鳩ぽっぽの関連図ストア
看護学生、編入、産業保健のお役立ち情報はこちら→鳩ぽっぽのnote
鳩ぽっぽのYouTubeチャンネルはこちら→鳩ぽっぽのYouTubeチャンネル
Twitterはこちら→鳩ぽっぽのTwitter